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まだはえがすぺ!

「だれ~!まだはえがすぺっちゃ。」(訳:あらまぁ、まだ早いでしょうに、かなぁ?)

家の前を通る近所の人が、畑仕事をしている父に声を掛ける。

父は畑の雪が無くなると、もう待ちきれない!!と言わんばかりにトラクターを持ち出して畑を掘り起こし、先週の土曜日(22日)にジャガイモを蒔いてしまった。
いつもの年よりかなり早いようだ。

私の友達に聞いてみた。
「えっ?!畑に雪があったの??うちなんか雪なんてもうとっくに無いけど。それでもまだ土が冷たいからじゃが芋はもう少ししてから蒔くよ。」

父はじゃが芋どころか、春菊・ほうれん草などの種も蒔いていた。

「まだはえがすぺ。」
が、近所の人たちの忠告に耳を貸すことはない。
せっせと自分の思ったように事を進める。

「昔からせわしい人だったもな。」
昔から知っている人たちは口を揃えてそう言う。

「ホントにもう!言っても聞かないから言うだけ無駄なの。」
なんて言う私は、父によく似ているなぁと思う今日この頃なんだなぁ。

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『見えない』のと『聞こえない』の。

父が数週間前に風邪を引いた後、耳がおかしいと言い出した。

こもった感じでよく聞こえないと言う。
そのせいで、テレビの音量がこれまで以上に大きくなっていた。
それだけで、父と一緒の部屋にいたくなくなる。

「あのね、これこれしかじかで・・・」
「あ?!!何だって?」
「だから、これこれしかじかで・・・」
「わがんねな。耳がこもこもって聞こえね。」
「だ・か・ら!これこれしかじかで・・・・」
「さっぱ、わがんねな。なんだってや?」

何度も何度も聞き返されると、もういいという気持ちになってくる。
話もしたくなくなってくる。

耳が聞こえないと相手にされなくなる、と言うのがよくわかるなぁ。

そういえば昔、ホームヘルパーの勉強をした時、
もしあなたが見えないのと聞こえないのとどちらかの障害を抱えなければならないとしたら、どちらが良いか?と質問された時、
全員が聞こえない方がいい。と答えた。

講師の先生は、実は、耳が聞こえて見えない人の方が情報量が多くて得な事が多いと教えてくれた。
耳が聞こえなくて目が見えるという人は、見えたものでしか物事が判断できないので、情報量がかなり限られてしまうというのだ。

そんな事を思い出した。

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田舎暮らしの今の仕事

父は毎日せっせと干し大根作りをしている。

土に埋めて冬の食料として保存しておいた大根が、すっかり春めいてきたこの気温で腐り始めたので、「勿体ない勿体ない」と腐る前に干し大根にしてしまおうというのだ。

最初は生のままの大根を2センチ×10センチ、厚さ1センチ位の大きさに切って、藁で編んで干しざおにつるしていた。

私はこの干し大根は嫌いだ、中々煮えないし大きすぎると言うと、今度は千切りにして茹でて干している。

普通に市販されている感じの干し大根が出来上がった。
これなら、戻して酢の物にしたり、ドレッシングで食べることもできる。

86歳の父がせっせと作ってくれた干し大根、ありがたく料理して頂こう。

それにしても去年と一昨年の大きな方の干し大根が、まだ冷凍庫の下の方に眠っているけど、どうしようかなぁ?

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甘くなる野菜達

寒い日が続いていたが、やっと春を思わせる気候になって来た。

この時期になると保存しておいた野菜が皆甘くなる。

大根・白菜・じゃが芋・人参・牛蒡・かぶ・とろろ芋。
みそ汁も鍋物も甘くなる。

果物は腐りかけが甘くなるとよく言う。
野菜も春が近くなってくるとそろそろ腐り始めるからなのだろうか?

どの地域でも保存しておいた野菜は腐り始めるころには皆甘くなるのだろうか?

私は日本全国同じ現象だと思っていた。

でも、どうやら違うらしい。

姉に送った我が家の野菜達。
同じ野菜の筈なのに、甘くならないらしい。

野菜たちを甘くするのはどうやら寒さのようだ。

そういえば青森では「雪室貯蔵りんご」というのがあるらしい。
もちろん雪室に林檎を貯蔵しておくのだが、甘味が増してとても美味しくなる。

我が家の保存野菜もそれに近いもので、凍る一歩前の状態で保存されている。

甘くなった野菜達はとても美味しい。
煮ても焼いても茹でても、ほんのり甘くてとにかく美味しい。

味噌汁に入れたジャガイモ。
自分のお椀にだけ多めによそったりして・・・
だってほんとに美味しいんだもん(^^)v

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高齢の父と車

「あのな。
軽トラック、車検さ出したっけ、下の本体が錆びてボロボロになっているから車検通らね、って言われてな。『この車良いんでねが?』って薦められて、買うことにしてきた。」

父が数日前の朝、私に言う。

「ふ~ん、どんな車?」
「おらわがんねげど、軽の乗用車だ。なんとかっつ車だって言われたけど、おらわがんねも。」

父は車には詳しくないが、長年つきあって来た整備工場だからと信用して契約をしてきたらしい。

そして、先週の金曜日に納車になった。
でも私も彼も仕事のため確認するのは日曜日になった。

日曜日、朝食を済ませると早速父の新しい車がどんなか、見てみようという事になった。

(父の車だけ)車庫にあるので、私が出して来ることになった。

まず、外回りをチェックしドアを開け、中の状態をまじまじと見まわし、運転席に座りハンドル回りを確認し、エンジンを掛ける。
エンジンは一発で掛った。(当たり前か)
なんだ?ガソリンがEじゃないか。
ん?走行距離99150・・・?
え?!もうすぐ10万キロなの?

とりあえず車庫から出して、彼にバトンタッチ。
父はこれまでマニュアル車だったのだが、今回はオートマが楽だからとオートマにしたので彼が運転教習をするのだ。
といっても、父はこれまでもオートマは時々運転していたので特に教習はいらないのだけれど、高齢者のオートマによる事故が多く報道されているので。

「爺ちゃん。ヒーターはここで、ワイパーはここで、ボンネットはここで・・・・・」
彼が一通り一緒に操作しながら教えていた。

一度降りて来た彼が
「この車、もうすぐ10万キロだべ。高くねが??」
「し~!私もさっき確認してびっくりした。でも、父ちゃん喜んでいるから今は知らんふりして。ホントに高いか安いか私たちだけで判断できないから。」

父には内緒であちこちに電話やメールをして、この車の値段が適切かどうか聞いて回った。

結果。高すぎるという結論に達した。

夕食時。
「父ちゃん、この車。あまりにも高すぎるから返品しよう!!?」
「なにや?!おら、わがんねがど思って、高く売られたのが?」

整備工場とすったもんだの挙句、違約金を支払って車は返品した。
もう、あの工場とは取引できないだろう。

「ほで、おめが行ってる整備工場さ車頼んでけろ。」と言う話になって、私がお世話になっている工場に父が希望する車を探して欲しいと依頼した。

そして今日、父はなかなか風邪が良くならないと、病院を替えたので今日も病院に行っていた。

夕方。
誰かが訪ねて来た。

「先程、こちらのお爺さんが私の所に来て、軽トラが欲しいと言っていたので、丁度こちらの方に用事があったので寄ってみました。」と。

「はぁ?父がですか?トラックを?」

「はい、私より2時間ほど先に帰られたのですが、まだお帰りじゃないですか?このトラックなんですが・・・・」

(内心)父ちゃん、勘弁してよ!私も迷惑だし、あっちの車屋さんもこっちの車やさんも迷惑だよ!!それに、トラックじゃなく今回は乗用を、って言ってたじゃない!

数十分後、父が帰って来た。
案の定、途中の親戚の家に寄って来たらしい。

「なにや?来たってが?
何だって気の早い。売りでんだべな。」
「名前も住所も教えて来たんなら、買う意思がある。って言って来たようなもんだべ!!」
「ほだって、世間見てみねげ、高いか安いかわがんねべ!!」

だったら、最初から世間見て回るべきだったろうに!!

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