○蔵が・・・
我が家の飼い猫の○蔵は変な猫で、私たちの目の前に寝転がっては腹をみせる。
無視して先に行くと、「えっ?!構ってくれないの?」とばかりにさらに先に行って寝転がる。
「おめぇな、動物が腹を見せるって言うのはどうにでもしてくれっ!って言うことだぞ。そんなんじゃ生き残れないぞ!」
諭そうとしても所詮猫。
その○蔵の様子が一週間ほど前から急におかしくなった。
呼んでも来ないし寝転がらない。
食欲も無くなって来た。
「どうしたんだ?お前。具合が悪いのか?」
気づくと野良猫がやってきていた。
猫は喧嘩して負けたりすると落ち込んで元気が無くなるらしい。
「そうか、お前は○玉取ったもんな。負けちゃったか?」
そのうち元気になるだろう。
でも、中々食欲が戻らない。心配になってきた。
牛乳をやってみるとピチャピチャ飲んでいる。
元気になれよ、早く元気になれ。
今日は部屋の模様替えをしていた。
夕方、100歳の例のおばあさん○えさんがやって来た。
父とお茶を飲みながら話す言葉に力がこもっていた。
もう暗くなってきたが帰ろうとしない。
遠慮して夕飯の支度を始めないで部屋にいたが、もうすぐ6時。
私が台所に行って夕飯の支度を始めると、「たまげだごど!!6時になるんべっちゃ!!」とそそくさと帰って行った。
父が○えさんが来る前までやっていた仕事の後片付けに勝手口の戸を開けると・・・・・
「なんだ?!猫死んでるぞ!!」
「えっ?!!うそ?!!!!」
○蔵が横たわっていた。
見ると○蔵の心臓はもう既に止まっていた。
まだ温かい。
○えさんが来た時にはまだ生きていたのに。
○蔵!!○蔵!!!どうしたんだ?何があったんだ?!
お前まだ死んじゃ駄目だよ!!
「暗くなる前に埋めでしまうべ。」
「ほれ!早く持ってこい!!死んでしまったものそのままにしておげねべ。」
父が急かす。
○蔵を抱っこして、心臓の鼓動を確認してみたがやっぱりもう動いていない。
これだから私は動物を好きになれないんだ。
せっかく可愛くなってきたのに、情を入れれば入れるほど別れは辛い。
涙がボロボロこぼれた。
父が「ここにするべ。」と穴を掘り始めた。
深く埋めてあげないと何かの動物に掘り起こされてしまう。
もっと深くもっと深く。
父からスコップを取って、これでもか。これでもかと掘った。
なんか最近、私の身の回りで、今までには無かったような異常事態が起きているように思う。


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